半身症候鍼灸法(半症鍼)の診断
新はり治療を半身症候鍼灸法と言います。(以下、半症鍼)
ここで半身症候鍼灸法の診断法を簡単に説明します。
私たちの身体を構成している
脳や骨、筋肉、脳脊髄液、神経、
血管、リンパなどは、調和のと
れた律動運動を繰り
返しています。
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- 律動運動とは、プールのコースロープのような動きです。
私たちの身体は、約60兆個とも言われる数の細胞で出来ています。
その細胞が骨や筋肉、脳などの内臓、神経、血管、リンパを構成しています。その細胞は脂質とリンの二重構造で出来ており、常に動きながらその恒常性を維持しています。
例え、私たちが静止していても身体の中の組織は常に微細に動いています。上図のように、背骨についても一つ一つが律動的に動いており、その動きが偏りを作った時に、身体に何かしらの異常が表れます。
この偏った「動き」を調整することが、半身症候鍼灸法の目的です!!
見た目だけの歪みや曲がりをまっすぐにすることはしません。全て意味があって、歪んでいたり、曲がったりしています。脳がそのようにしてバランスを維持しているのであり、部分だけを診てまっすぐにしてもまた歪んだり曲がったりしてくるのは当然のことです。
偏った動きを調整することで、歪みや曲がりは自然に調整されてきます。
例えば、背中が見た目に前傾姿勢になっている人がいたとします。この方に無理に背中をまっすぐに伸ばしてもらって、筋力を調べると落ちていることが分かります。また、呼吸も浅くなっています。
この時の曲がった姿勢は脳からの指令でそのようになっているのであって、背筋を無理やりに伸ばすと余計に身体の機能は低下してしまうのです。
臨床においても、このことをきちんと検査して患者さん全員が納得されています。
また、利き腕や利き足があるように、完全に身体が真っ直ぐになっている人はいません。もし、身体が完全に真っ直ぐな状態であったら、動くことすら出来ないと思われます。
まず、身体を3分割して3つのカテゴリーに分けます。
身体の右側
中心部
身体の左側
という形です。
これは、人体の中の脳と脊髄に対応しており、
右大脳(脊髄)灰白質、右脳幹
大脳(脊髄)白質
左大脳(脊髄)灰白質、左脳幹
がかかわっていることになります。
ここに対応している反応点が後頭部の3点です。
右後頭部
後頭部中央付近
左後頭部
最初に脳と脊髄の異常個所を診断した後に、症状の原因を探るために筋肉反射テストを使って全身を診断します。
- 脊椎の捻じれ方向、蝶形骨、頸椎1番、腰椎5番、仙骨、後頭骨
- 頸椎が左右どちらに捻じれているか
- 頸椎、胸椎、腰椎を大まかに6点に分けて診断
- 頭部から目、鼻、耳、喉、気管(気管支)、肺、横隔膜、消化器、泌尿器
- 女性の場合は、婦人科系
上記の箇所は毎回必ず診ます。人体の根幹を作っている部分で、脳神経、脊髄神経、さらには自律神経(交感神経、副交感神経)が関与するので、特に重要視しています。
この後に、頭部を細かく検査し、その後で、症状の箇所を診ていきます。
症状の箇所だけを診ても原因がそこにあるかどうかは分からないので、さらに深く調べていきます。
そして、その原因の最終メジャーである上記の右後頭部、後頭部中央、左後頭部のうち1~2点にそっと触れるように刺鍼します。
※ここでいう後頭部の反応点については、日によっても人によっても違います。正確には筋肉反射テストで調べてから刺鍼します。
つまり
脳と脊髄を治療するのです。
神経を治療し、脳脊髄液の循環と血液循環が改善するので、治療後はみなさん
- 「スッキリした」
⇒全身の神経伝達と脳脊髄液、血流が改善している状態です。 - 「視界がクリアーになった」
⇒脳の血液循環が改善している状態です。
とおっしゃいます。
頭から足先まで一本の線が通った感覚になるのです。
これにより、全身の回復力が高まっている状態になります。
症状が残っていたとしても、何の心配もいりません。
後は、患者さんの身体が治していきます。この時に引き出された治癒力の分が確実に回復します。
※生体律動調整法(律動法)、半身症候鍼灸法(半症鍼)は、茂木昭先生により創案された手技療法及び鍼灸法です。
※生体律動調整法(律動法)、半身症候鍼灸法(半症鍼)の名称は商標登録済みで、律動法研究会・半身症候鍼灸研究会認定治療師以外は使用できません。