腰痛などの痛みを感じるメカニズム    

           出典「日本ケミファ」
包丁で指を切った時のように、外傷初期に感じる鋭い痛みの場合、外傷の刺激自体が痛み電気信号を作り出す原因となりますが、この痛みは一瞬のことであり、普段、皆さんが感じている、腰痛や肩こりといった筋骨格系の不快な痛みとは痛みの種類が異なります。

では、あの不快な痛みはどのようにして発生するのでしょうか?

組織が何らかの原因で損傷を受けると、生命活動をコントロールしている神経系が緊張し、さらに筋肉が緊張する(凝った状態)ことにより血流が低下し、酸欠状態となります。

すると、血液中の血漿から

ブラジキニン

という発痛物質が産生されます。

画像の説明

ブラジキニンは血管を拡げて血流をよくする働きがあります。筋肉が硬いということは筋肉に弾力が無く、それだけ血行が悪くなっている為、ブラジキニンを産生することによって血流を良くして酸素不足を回避しようとするのです。

ところが、このブラジキニンは神経終末に触れると強い痛みを出す性質があります。

このブラジキニンが刺激となって、神経細胞内のNaポンプが開き、痛み電気信号が作られ、脳へと伝わっていきます。

つまり,
腰痛などの筋骨格系のあの不快な症状は、ブラジキニンを代表される発痛物質が原因と言えます。

逆に、発痛物質がなければ、痛み電気信号を作り出すことができないので、痛みは発生しません。

腰痛などの不快な痛み電気信号を作り出している原因がブラジキニン(発痛物質)であり、痛み電気信号を作り出している現場が、神経線維の末端である神経終末(痛み信号を作り出す現場)です。

神経線維の途中に痛み信号を作り出す現場はありませんので、ヘルニアが神経を圧迫しているからといって、痛み電気信号は発生しませんし、骨盤のズレや歪みといった静的な構造上の異常が痛み電気信号を作り出すこともありません。
ヘルニアが神経を圧迫すると、その神経の支配領域の筋力低下が起こります。筋力を調べてみると、明らかな低下が見られます。

構造上の異常が痛みに関係していることは間違いありませんが、それだけで痛みを出すことはありません。
事実、患者さんで構造上のゆがみはあっても、痛みはないという方がたくさんいらっしゃいます。